カミキリムシの成虫の飼育について



カミキリ全般の飼育方法

日本にカミキリムシは946種(亜種も含む)います。
髭が長いからカミキリムシとは限りません。
カミキリに良く似た他の甲虫もいます。
虫名がわからないと何とも言えません。
もし
カミキリなら、リンゴ、キュウリ、カボチャのスライスは有効です。

*直射日光は避ける。
*他の虫といっしょに飼わない。特にクワガタは他の虫を食べるので危険です。
*カミキリムシは仲間にもよりますが短命な者が多いです。 平均寿命は2週間

*どのカミキリも好物はオロナミンCです。ティッシュに湿らして与えてください。元気になります。
*トラカミキリはコーラが好きです。お試しあれ。

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ゴマダラカミキリの飼育記録  


  ゴマダラカミキリの成虫が越年し、2月17日までの約8ケ月生きていたので、ここに報告します。
1992年6月27日朝8時頃埼玉県秋が瀬公園のヤナギの枝にとまっているところを採集した。
カミキリの飼育体験がないので、生態観察の目的で飼育を始めた。
カビに侵されたカミキリの死骸をよく見ていたので、カミキリはカビに弱いのでは?と判断して、風通しの良い虫かごで飼育した。
 虫かごには土や腐葉土は入れずヤナギやイチジクの小枝と水をビンのキャップ(直径約3cm)に入れて与えた。
キャンプ場の炊事場によく水を飲みにくるカミキリを見かけていたので、直接カミキリに霧吹きで水を与えたところ キーキーと鳴いて喜んでいたように思えた。
それから時々入浴時に虫かごを持って行き、風呂場で虫かごの掃除も兼ねてシャワーをかけてやった。
エサは小枝以外にカボチャ、乾燥させたみかんの皮、バナナの皮、リンゴの皮などを与えた。
虫かごの下に敷いた植木鉢用受け皿がエサのクズでいっぱいになった。
冬は虫かごの中にみかんの皮を幾重に重ねた。
夜はその皮の中に身を隠すようになり、 寒さを防ぐのにお誂えのカバーといった感じだった。
死因は不注意で水を与え過ぎて虫かごの回りを湿らせたままにしたために 体温が低くなって死んだのではないだろうか?  

長生きしたと思われるポイント
1.常に新鮮な水を与えるように心がけた。
2.カビに弱いので風通しの良い虫かごで飼育した。
3.真冬でも室温が16度以下にならなかった。
4.直射日光に当てなかった。
5.虫かご近くに木の観葉植物(大型)を3本置いた。
  


シロスジカミキリの飼育方法 



   飼育した経験がないので推測ですが
    リンゴ、キュウリ、カボチャのいずれかを与えてみたらどうでしょう?
  又、シロスジカミキリのホストであるクヌギ、コナラ、栗のいずれかの生の葉付きの小枝
を水差しに入れて与えるといいでしょう。
  シロスジは夜行性ですから直射日光は嫌います。 風通しのよい環境が必要です。乾燥も嫌います。
  シロスジは短命ですので、3週間程度生きればいい方だと思います。

  
















クロカミキリの飼育について

アカマツ、クロマツ、モミ、スギ、ヒノキ(針葉樹)の根食いです。
今の所、飼育の記録情報はありませんが
想像ですが
果物(きゅうり、りんご)と針葉樹の枝を与えたらいいかもしれません。
夜行性なので、ドラキュラのように日光は嫌います。















ノコギリカミキリの飼育

この手の飼育は、やったことがありませんが、単子葉類の地下茎に幼虫はいます。カンナ(園芸植物)、ホウライチクなどから幼虫を獲ています。
確認していないんですが、たぶん、ノコギリカミキリだと思う。ニセノコギリカミキリだったらごめんなさい。

私の仕事場に地面から生えているタケの切り株があって(3ヶ月ほど前に切り取った)、そこに集まるようですから、切ったタケの切り株に好んで産卵するのかもしれません。
カンナの地下茎にもいますので、この地下茎を引っこ抜いて、傷を付けておくとこちらにも産卵するかもしれません。

私のやり方は、小さなタッパーに湿ったキッチンペーパーを入れて、その中にノコギリカミキリ亜科の♀を入れておきます。
産気づいた♀は、殆どがこの状態で産卵します。持っている卵の殆ど産んでしまいます。♀は、短命ですから、産卵のためにだけ成虫になるという感じです。
その後タケの株元からノコギリカミキリの♀が羽脱したので、タケにつくのは、ノコギリカミキリと思って良いと思います。
1個だけですから絶対とは言いません。

飼育は、弱ったカンナの地下茎に幼虫を入れて地面にいれてやれば、たぶん親になると思います。湿度の高い、温度の安定した状態を好むんだろうと思います。


ミヤマカミキリはシロスジカミキリと同じ



カミキリムシ成虫の飼育 

ゴマダラカミキリやシロスジカミキリ、ビロードカミキリのような多食性のフトカミキリ亜科の成虫は、容易に飼育できます。
ゴマダラカミキリであれば、カエデ、ヤナギ、ミカンなどの生きている小枝をあてがうと樹皮を食べて長生きします。
これらの木の腕くらいの太さの生枝をあてがうと、♂♀入れたら産卵します。
未交尾の個体は、4〜8か月くらいは生きると思います。産卵させると、寿命は短くなります。

シロスジカミキリであれば、イヌビワ、クリ、カシなどの小枝を食べて、産卵木もこの種の木を使います。

ビロードカミキリであれば、カラスザンショウ、アカメガシワ、ショウベンノキ、フカノキ、ゴンズイ、マツなどを使います。
産卵も同様です。

ビロードカミキリは、産んだ卵はこのままで親になりますが、シロスジカミキリとゴマダラカミキリは生にちかい成分が必要なため、
親になるまでの間に産卵した木から新しく用意した生木に1〜2回移す必要があります。
体の大きいカミキリですから、食べる量も多く、これは面倒な作業です。

カミキリの累代飼育をしたいのであれば、一度これらの生木を食べる種類を飼育した方がよいと思います。
飼育することによって、見えなかったカミキリの生態が見えてくるものです。
話がそれましたが、生木に集まるカミキリは、そのカミキリが集まる植物の葉や茎を与えると飼育できます。
枯れ木に集まるカミキリは、おおよそその枯れ木の細枝を与えると良いと思います。

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